BMW-3シリーズ 試乗 評価

BMW3シリーズ(F30)

ボディサイズが全長4,624mm×全幅1,811mm×全高1,429mmとなり全長がE90より93mm大きくなったBMW 3シリーズ。その3シリーズのなかでも中核となるBMW3シリーズ 320iセダン。そんなBMW3シリーズに試乗したmotoさん(一般個人)の評価です。

BMW3シリーズ320iに試乗したmotoさん(一般個人)の評価

BMW 320i(ガソリン4気筒エンジン車)試乗

4月の中旬頃、街角でBMWの展示試乗会が催されていたため、立ち寄ったのでした。その際に、BMW5シリーズ 523iに座り、このサイズでエンジンが4気筒であること、4気筒なのに重厚感があることなどに驚き、用事を済ませたあとにまた寄ってしまうのでした。

その後、セールスマンから試乗の誘いが来ていたのですが、都合が合わずなかなか行けませんでしたが、この日ようやく試乗する時間が出来、行ってみるのでした。

試乗は、努力すれば手が届かないことはない、BMW 320iで行いました。6速MTはほとんど輸入されないとかで、現実的なガソリン8速AT車を選びました。

エンジン

BMWお得意の、「バルブトロニック」「VANOS」「筒内噴射」の3つの技術を採用しています。国産車の2000cc4気筒には、せいぜい吸排気連続可変バルブタイミング機構か筒内噴射か、二段階切替バルブリフト程度のところ、その全部が採用されています。それこそ、三本和彦氏が言うところの「盆と正月とXが一緒に来た」です。

吸排気可変バルブタイミングを採用する利点は、吸気時に排気側へ混合気が抜けるのを防いだり、排気ガスの一部を吸い戻してEGR効果を得たり、低回転高負荷時には吸気バルブが閉じる時期を遅くして充填効率を上げることに効きます。

ガソリンエンジンで筒内噴射化を採用する利点は、筒内に空気を吸い込みながら燃料を噴射し、気化潜熱で空気を冷やして凝縮、ノック限界を高めたり充填効率を上げられることにあります。

バルブトロニック(=バルブリフト調整による、混合気量調整(出力制御))は、ポンピングロスの軽減にあるとのことです。サージタンクの気圧が上がることが要因でしょうか。

エンジンは、どんな方式を採用するかよりも、エンジンとしてどんな性能を発揮するかどうかです。カタログ上の出力は、184馬力、最大トルクは27.5kg・mを発生します。この数値は、本当に立派です。車重は1500kgですが、この車体をかなり俊敏に走らせます。

スロットルモード切替スイッチがありますが、ECOモードでは幾分かったるさを感じるものの、ノーマルモードでは十二分なアクセルレスポンスが得られます。スポーツモードは、少々やりすぎです。エンジンの出力が急に増す印象で、コントロールしづらいです。トヨタのバルブマチックエンジンもそうですが、アクセル操作と出力の関係において、もう少々調整が必要のように思います。

エコモードは、アクセルレスポンスが少々鈍くされている上、出力自体も制限されている印象です。ノーマルモードは自然な印象で、アクセルペダル操作量に応じて出力が高まります。パワーモードは、早開きそのもの。不自然極まります。

エンジン音は、車外で聞くとまさに軽量な4気筒の音です。これが日産QGエンジンとよく似ていて、ブルーバードシルフィの姿が頭に浮かんでしまいました。室内では、遮音がよく出来ているため、エンジン音はほとんど聞こえません。振動もよく抑えられていて、これまた室内、足元、椅子には伝わってきません。

空吹かしでは、低回転時に軽快な音を発し、4000回転を超えるあたりから獰猛な音に変わります。おそらく走行時もそのような変化をするでしょうが、4気筒らしい軽快なスポーツエンジンであると思います。

アイドルストップについて

ここのところ、欧州車はアイドルストップを積極的に採用しています。普通のスターターモーターを利用する方式で、再始動に要する時間は0.4秒級であると思います。普通のプラネタリーギヤ式スターターモーターが作動する方式です。

クランキング時には当然エンジンが震えるのですが、この震えを吸収するためにエンジンマウントがかなり柔らかくされています。そのため、再始動時や空吹かし時には車体がローリング方向に揺れます。一般路の走行では考える必要がないこの揺れも、スポーツ走行をしてコーナー立ち上がりじに加速すると、車体の挙動に影響があると考えられます。

ストップ&ゴーが多い道路を考えた日本車のアイドルストップからすると、それほどのものではないと思います。

トランスミッション

ダイレクトクラッチ式の、いわゆるDCT方式の8速トランスミッションが使用されています。構造上は発車をするとすぐにクラッチが結合され、エンジンと車軸がダイレクトに結ばれるのですが、なぜかそのダイレクト感が薄く、あたかもトルクコンバーターが滑っているかのような印象があります。

変速は滑らかかつ素早く行われ、変速がなされたことはタコメーターの針の動きでしかわからないほどです。かつてVWのDSGで感じたような、低速ギヤで加速をし、その後あれよあれよという間に最高段までシフトアップされてしまう変速パターンではなく、車速に応じて順次シフトアップされていく印象です。

ノーマルモードやパワーモードにすると、変速にかかる時間も短くされ、スポーツモードではシフトショックも感じられます。そのショックの程度は、トヨタ86のものと近いか、それよりもショックが少ない印象です。

アクセルレスポンスと変速を一つのモードスイッチで切り替える方式は「押し着せ感」が強く、決して印象がよくありません。浅いアクセル開度でも高回転まで上げて欲しいとか、それでもシフトショックは小さいほうが良いとか、運転士の好みに合わないことが多々あります。エンジンとATとを別々のスイッチでモード切替が出来るようにするか、モード切り替えはトランスミッションのみの、以前のワイヤースロットル車の方が自然な印象です。

ステアリング

少々重めで、ステアリング中立位置がよくわかる印象です。これを「座りが良い」と言います。マイナーチェンジ前のプレマシーもそのような印象でしたが、中立位置がはっきりしているので直進で疲れませんし、カーブでも保舵が楽です。回す時だけ重みを感じますが、こんなの重いうちに入りません。

操作感自体も「しっとりなめらか」、モーターに通電されたり停止されたり、モーターの慣性が残ったり作動遅れがあったり、などの電動パワーステアリング特有の違和感がほとんどありません。ただ、「ごく普通の油圧パワーステアリング」よりは少々劣る程度です。最近の日産車並みの出来具合です。


サスペンション

この点は、国産車が輸入車に追いつけない代表的な点です。ショックアブソーバーが、縮み側では適度に、伸び側ではよく効き、車体が地面の近いところにいるようにあるように調整されています。若干硬いことは硬いのですが、国産車によくあるような、「突起乗り越え時に突っ張る」印象は皆無です。

よく縮み、伸びるときに抗力が働くのため、よく引き締まっているのに乗り心地がよく、「ふんわり」とした、だらしないだけの乗り心地の良さとは質が異なります。

また、スタビライザーもしっかりしているのか、コーナーでのロールもかなり抑えられています。

ブレーキ

輸入車のブレーキの多くは、「踏めば踏んだだけブレーキが効く」という表現が使われます。この車のブレーキもそのような印象で、若干硬い印象と、国産車の感覚で使うと若干効きが悪い印象があります。ここのところの国産車は、どちらかというとサーボの効きが前面に押し出されている印象ですが、この車は踏力によって効きを調整しなければなりません。

このような、運転士の操作加減で効き具合を調整できるブレーキを、「コントローラブルなブレーキ」と言いますが、得てして運転が好きでない女性にとっては「効かない」と言われます。ブレーキペダルをヒールが高い靴で、あたかもスイッチのように操作する人にとってはそうなのでしょうが、慣れればこの方がずっと使いやすいです。

国産車は少し前まで、「女性の意見を~」などと言っていましたが、ユーザーの教育というのも車を作るプロの責任だと思うのですが、どうでしょうかね??

ボディ

これを「Dセグメント」と言うのでしょうか。国産車では、アコードやアテンザが該当するのでしょう。運転中、気にはならないものの1800mmの幅は大きすぎます。幅が広いことは、乗り心地やロール耐性に良い影響を及ぼしますが、「今は○セグメントが主流」などという論ばかりがユーザーを無視して広がり、3シリーズをここまで大きくしてしまいました。「ガラパゴス」などという言葉もそうですが、「今は~」の書き出しで始まる言葉はどこか扇動的で、「勝手な論を唱えるな」という気分になります。

ボデーの剛性は非常に高く、アフターパーツを付けない状態でこれだけの曲げ剛性、ねじり剛性を発揮するのは、非常に素晴らしいです。荒れた路面でも、ミシリとも言わなければ、車輪がばたつく印象もありません。

内装の印象は、国産車のきらびやかな印象と比較すると、簡素な印象です。ちょっと前のマツダ車に近い印象です。こういう印象を持ってしまうこの私、やはりアジアな人間なのでしょうね。

視界は良好で、巻き込み確認や車線変更時の確認はしやすいです。国産車では怒りを覚えるほど斜め後方の視界が悪いのに、バックモニターを備えてお茶を濁している車が多数ありますが、視界が一番問われるのは交差点右左折時です。安全運転の基本は、視界です。

今回の試乗で一番困惑したのは、フラッシャーレバースイッチです。左側についているから、ということではありません。スイッチを完全に上げ、下げしない領域では、フラッシャーが3回点滅して消灯するモードになります。これが使いづらく、レバーのクリックも固く、市内走行では「どうしてこんな余計な機能をつけたんだ!」と、不愉快になってしまいました。

また、ボデーには面白いパーツがついていました。フェンダーとタイヤの張り出しに関する解釈が、原産国と日本とでは異なり、フェンダーアーチに「プラスチック板」がついています。下敷きから切り出したようなプラスチック板です。同じような目的の部品は、国産車でもCF4-CL1系アコードのユーロRやワゴン2300DOHCなどに使われていましたが、それらはホイールアーチに沿う形に整形されていました。450万円を超える車なのですから、こんなお粗末なプラスチック板はないでしょう。

これを除いたボデーは、古典的ながらバランスが良い、車らしい堂々としたスタイルに仕上がっています。「買った」満足考えられることでしょう。ヘッドライトとグリルのつながり方に違和感を感じる方は少なくないでしょうが、私もそうです。

しかし、ディテールをいじって個性を主張するレクサスに比べると、随分となじみやすいようにも感じます。

BMW 3シリーズまとめ

この320iには、なんとMT仕様があるとのことです。実際に購入する人はほとんどいないそうですが、魅力的な仕様です。

私は4気筒派なのでこのエンジンでも良いのですが、やはり450万円以上の車にこの音は少々寂しいです。せめて350万円程度に抑えて欲しいものです。国産車も随分高額になり、アテンザやレガシィ、アコードと同等の価格帯ですからそれほど非常識ではないとは言え、一抹の寂しさを感じます。

理想を言うなら、1シリーズにセダンを設定し、このエンジンを搭載し、300万円程度に抑えることです。どことなく、「BMWならどんなエンジンが載っていてもBMWだから」という、車をファッションの道具として買っているユーザーを対象としているような印象が拭えません。実際には、燃費の規制をかいくぐるには、エンジン本体改良とダウンサイジングしかないのですが、ボデーをダウンサイジングさせないという、おかしな傾向が感じられてならないのです。

これには、「○セグメント」という言葉とそれを押し付けるメーカー、ジャーナリスト、雑誌と意見が対立してしまうことを恐れないこと、ではないかと感じます。

そろそろボデーをダウンサイジングしませんか??

MOTOさん紹介

小さい頃、トラック野郎を見てトラックが好きになり、その後「太陽にほえろ!」のカーアクションを見て、乗用車も好きになり、TVや新車情報見て車の構造に興味を持ち自動車部に入り。車をいじることに興味を持ちました。

BMW 3シリーズ 320iスペック

サイズ|全長4,625×全幅1,800×全高1,440 mm
車両重量|1,480kg(MT)、1,500kg(AT)
トランク容量|480リッター
エンジン|2リッター直列4気筒 ターボ付き
最高出力|135kW(184ps)/5,000rpm
最大トルク|270Nm(27.5kgm)/1,250-4,500rpm
駆動|FR
燃費|16.0km/ℓ(MT)、16.6km/ℓ(AT)

注意、この試乗記はご本人に連絡をとり許可を頂いて掲載しています。評論家・モータージャーナリストでは無いあくまで一般人(個人の方)の主観による意見・感想です。シークドライブでは、その正確性・速報性・合法性・完全性・有用性など、いかなる保証もいたしませんので、利用者自身の判断でご利用下さいますようお願いいたします

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